日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医1種

〒985-0853 宮城県多賀城市高橋5-10-1
JR仙石線 中野栄駅より徒歩10分 / 仙台東部有料道路 仙台港北ICより車で10分
駐車場あり

 
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皮膚疾患

以下のような症状はないですか?

・毛が抜けてきた

・皮膚が赤い

・痒みがある

・皮膚がベタベタしている

・皮膚が黒くなってきた

・フケが多い

・皮膚に「しこり」ができた

膿皮症

・細菌感染(ブドウ球菌)による皮膚疾患

 ※表在性膿皮症と深在性膿皮症がある

・治療:薬用シャンプー、抗生剤等

治療前
治療後
治りの悪い膿皮症には「薬剤感受性試験に基づいた抗生剤の投与」が必要です

治りが悪い場合には、薬剤感受性試験に基づいた抗生剤投与、その他の要因(※)を考慮した治療が必要です。

※脂漏症、アトピー体質、環境(高温多湿)、慢性経過による皮膚構造など

薬剤感受性試験
皮膚スタンプ
ブドウ球菌(グラム染色)

犬アトピー性皮膚炎(CAD)

・遺伝的な背景を原因とした慢性的な痒みを伴う皮膚疾患

・環境中のアレルゲン(抗原)に対する過剰な免疫反応によっておこる

・若齢から発症し、初期には眼や口の周りが赤くなり、進行すると皮膚が厚くガサガサになり脱毛・腫脹がみられる

・完治は難しいが、スキンケアやフード、お薬・注射等による痒みのコントロールが大事

治療前
治療後
犬アトピー性皮膚炎は完治が難しい皮膚病です

生涯にわたって皮膚疾患とうまくつきあっていくことが大事です。

慢性化する前に、少しでも症状が見られたら早期の治療をおすすめいたします。

ニキビダニ症

ニキビダニ

・ニキビダニ感染による皮膚病

・皮膚検査(or 皮膚生検)等で寄生虫を確認→駆虫

治療前
治療後
寄生虫予防が大切です

ホームドクターではステロイドの治療を行っていましたが、改善がなく、「皮膚がん」を疑い当院へ来院しました。

皮膚検査にて腫瘍細胞は採取されず、大量の寄生虫(毛包虫:アカラス)が確認されました。

寄生虫の治療を行い、皮膚病は改善しました。

ただし、「がん(皮膚型リンパ腫等)」が隠れている場合もありますので、治りが悪い皮膚病には皮膚生検等の更なる精査が必要となりますのでご注意ください。

疥癬(かいせん)

ヒゼンダニ

・ヒゼンダニ感染による皮膚病

 ※耳・肘等に皮膚症状を出し、とても痒がります

・皮膚検査等で寄生虫を確認→駆虫

ヒゼンダニは人へも感染します

「お薬(ステロイド等)で改善がない全身性の痒み」は、寄生虫(疥癬等)も鑑別疾患として考える事が必要です。人へも感染しますので、早期の治療が必要です。

糸状菌症(カビ)

円形の赤み
(リングワーム)

ウッド灯

・糸状菌(カビ)による皮膚病

・皮膚検査・特殊培地・ウッド灯で診断

・抗真菌薬・シャンプー等で治療

治療前
治療後
皮膚糸状菌症は人にも感染する事があります

糸状菌症は、円形の赤み(リングワーム)が特徴です。人へも感染しますので、早期の治療が大切です。

その他

フケ

・フケ:乾燥性(甲状腺機能低下症)、脂漏性(脂漏症・マラセチア)、寄生虫(ハジラミ)などがある

・頭頚部掻爬痕/自己誘発性脱毛:自分自身で引っ掻いたり・舐めたりしてできる皮膚炎

 ※鑑別疾患:猫アトピー皮膚症候群、食物アレルギー、ノミアレルギー性皮膚炎、外傷(精神的要因、身体的要因)、皮膚糸状菌症、ニキビダニ症など

・耳垢腺嚢胞症:耳介または耳孔を主体とした嚢腫

 ※治療は外科または外用薬(ステロイド)など

頭頚部掻爬痕
耳垢腺嚢胞症
それぞれの症状(背景)にあわせた治療を

皮膚炎はさまざまな原因で引き起こされます。フード、治療歴、背景などの十分な稟告が必要です。

生涯にわたって治療が必要な皮膚病や、治りが悪い皮膚病には「皮膚がん」などが隠れている場合もありますので、要注意です。

私の愛犬「ダディ」は、皮膚の痒みがひどく、『食物アレルギー(※)』でした。食事の変更等で皮膚が落ちつきました。

※背中・足裏(血が出るくらい咬んでいた)・口周りの痒み、消化器症状(軟便・下痢等)あり

肛門腺破裂

・「お尻から出血」や「お尻から膿」「下痢」等の主訴で来院します

・身体検査にて肛門嚢の位置に「皮膚欠損(肛門腺破裂)」が確認されます

肛門線破裂による出血
治療中の外貌
定期的な肛門線絞りが必要です

支持療法(洗浄・消毒等)で治療します。

肛門腺破裂を何度も繰り返す症例は、外科治療(肛門腺摘出)も要相談です。

脂肪織炎

・皮下脂肪組織の炎症性疾患です

・ミニチュア・ダックスに好発し、皮下に「しこり」を作ります

・外科治療、内科(免疫抑制剤等)治療等

皮下の「しこり」
膿貯留
複数の「しこり」ができ、はじけて排膿する事もあります

皮下に1個〜複数の「しこり」を作り、発熱や元気消失することもありますので、早期治療が必要です。

皮膚腫瘍

皮膚型リンパ腫

・皮膚にできる腫瘍(しこり)です

・良性腫瘍(乳頭腫・毛包上皮腫等)、悪性腫瘍(リンパ腫・肥満細胞腫・扁平上皮癌等)などさまざまな腫瘍がある

・治療は腫瘍の種類により様々(外科、抗がん剤等)です

肥満細胞腫(マズル)
扁平上皮癌
難治性の皮膚病は「がん」の可能性も

治りが悪い皮膚病には精査(細胞診・皮膚生検・全身精査)をおすすめいたします。

「進行の早いがん(リンパ腫・肥満細胞腫等)」が隠れている可能性もありますので、早急に病院へ。

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